くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2008/01)

2008/1/24


ジャンプ感想(2008年08号)


ONE PIECE

ゾロ「ただし身代わりの……このおれの命一つで!!勘弁して貰いてェ……!!」

本当は一味全員皆殺しにしないといけないところを最大限に譲歩して船長の首だけで勘弁してあげようと言っているのに、そこをさらに50歩ほど譲歩してナンバー2の首で勘弁してくれと言い出すゾロ。そこで譲歩しちゃうくまもいい人すぎます。名のある首とかいう以前に、海軍からしてみれば「海賊王になる男」の首は刈り取っておく必要性はあっても「世界一の剣豪になる男」の首を刈り取っておく必要性は薄いわけですし。
そこに今度はサンジが出て来て、さらに「代わり俺の首で勘弁してくれ」と言い出す事態にくまの方はかなり困ったことになったと思っていることでしょう。上司に「海賊王になる男の首の代わりに世界一のコックになる男の首を取ってきました」なんて報告しても、「何やってんだバカ」と怒られるだけです。くまの方としては、このまま放っておいたらどんどん値切り交渉をされて、最終的には「いずれ海賊王のペットになる生き物の首で勘弁してくれ」とそこのトナカイの首で譲歩しろなんてことにされてしまうのでは心配し始めたところだと思います。
普通に考えれば交渉の余地もないことをゾロは言い出しているわけですが、ゾロの方はくまを政府の人間としてではなく海賊として仁義のレベルで話を付けようとしているので、くまもこれを無下に断れなくなっているのでしょう。

チョッパーひでえな


くま「ただでさえ死にそうなお前がこれに耐えきることは不可能。死に至る」

生存確定フラグ。王大人風に言えば「死亡確認」。マイナスにマイナスをかけるとプラスになるの法則です。
ゾンビよりもしぶとい相手に、「これやったらきっと死ぬから」で見届けもせずに帰ってしまったくまは実はあんまり仕事する気はないのかもしれない。モリアも見殺しだったし。実際、七武海で本心から政府に忠誠を誓っているのなんていなさそうですし、くまも政府の意向を忠実に実行する気はあまりないのでしょう。
そんな放置プレイをかまされてもちゃんと約束通りダメージを全て受けきったゾロは、今週の『ネウロ』で吾代が拒否した一人虐待プレイもこなせるかもしれないです。



BLEACH

少年誌には相応しくない行為をマユリ様にされることで復活したネム。予想外の行動に石田も阿散井も「アニメ化飛ぶぅぅぅッ!!」と突っ込みを入れることもできませんでした。『バキ』の世界では「闘争」の同義語にされていましたが、『BLEACH』の世界では「ザオリク」の同義語になるようです。
そういえば、マユリ様の先代(技術開発局局長)の浦原のところにも非人間ぽい子供二人がいましたけど、雨とジン太もその正体は、マユリ様に作られたネムのように浦原が作った肉奴隷人工生命というオチなのかもしれません。恐ろしいことに、雨が腹に大穴を空けた怪我をした時も浦腹かテッサイがマユリ様と同じような方法で修復作業を行った可能性があります。さらに言えば、ジン太が重傷を負った時も同じ方法が適用されるであろうことです。ここ数週のマユリ様の変態ぶりに読者は度肝を抜かれているところでしょうが、それをさらに上回る男が『BLEACH』にはすでにいたのです。



NARUTO

サスケ「創設者…?そのマダラならとっくに死んでるハズだ。オレをおちょくってんのか!」

うーん、肉体とっかえひっかえして若さを維持していた大蛇丸とか、人の心臓を奪って何百年も生きていた角都とかがいたのに、マダラが今も生きてるわけないだろと否定できる根拠の方が乏しいよなあ。むしろサスケがなんでこんなに自信たっぷりにそんな奴はいねえと言いきれるのかが不思議です。
大蛇丸には色々と世話になっていたはずなのに、間接的にとはいえその存在自体を「ふざけたもの」にしてしまうサスケの無情ぶりはあんまりだと思います。



テニスの王子様

ここまで幸村は何の特殊能力もなしに無我使いの越前と渡り合っているんですよね。いやそれよりも普通のテニスプレイで無我に対抗できたという事実に驚くべきなのかもしれませんけど。無我の境地やシンクロとか、その見た目のパフォーマンスの凄さに驚いていましたけど、実際にテニスをしてみると案外普通だったりするのかもしれません。
しかし、普通にテニスの試合をしているだけなのに、無我使いと試合をしているだけであいつも普通じゃねえみたいに言われている幸村はちょっとかわいそうかもしれません。
幸村って、普段からも何をしても「さすが神の子」って言われていそうですね。普通に試合をしただけで「これが神の子幸村精市」と言われるくらいですから、
「さすが神の子、保健体育のテストも100点だ」
「さすが神の子、数学は平均点だ」
「さすが神の子、二時限目で早弁するとは」
ってかんじで。
あれ、なんかこれ嫌がらせっぽくないですか。

真田「10年に1度の逸材集いし群雄割拠のこの年――その時代が創り上げてしまった悲しき産物なのかもしれんな」

なんか上達が早いだけなのに、こいつは悲しい存在だ、みたいに理不尽なイチャモンをつけられている越前。真田が素直に「羨ましい」と言えないのは越前が手塚の技をパクったのが気に入らなかったからなのかもしれませんが。
あと、「10年に1度の」ってことは、やっぱりこの世界のテニスが異常なんじゃなくて、この年のテニス世界が普通じゃなかったんですね。それでもたった10年ごとに発光する人間とかデビル化する人間が現れるのもどうかと思いますけど。



PSYREN

ゲートまで後わずかのところでクリーチャーに追いつかれた朝河たち。人間を遥かに超えた身体能力を持つ怪物相手に普通の人間が鉄パイプ片手に戦う姿に絶望感がひしひしと感じられます。
そして「雨宮!!眼鏡もかけずに!?」と眼鏡を外してパワーアップ、じゃなくて、代償込みの何かの力を使って能力を向上させたらしい雨宮。ここでは単に動態視力の強化をしただけなのか、身体能力全体の強化をしているのかは分かりませんが、最初に夜科に遭遇した時のアクションを考えると、身体能力の強化もできそうですね。
ともかく、特殊能力はあるにせよ、それがあまり万能過ぎず身体能力を向上させる程度のものなこと、雨宮のようにちょっと使っただけで副作用が出るくらいに代償も大きいものであると、かなり制限ありなところは面白くなってきたと思います。
関係ないですが、ヤンデレ系で鼻血を垂らす雨宮のヒロインぶりに、岩代先生のヒロイン人気の獲得の方向性がかなりコアなところに向いていることが分かります。



魔人探偵脳噛ネウロ

弥子「ネウロの趣味は私を虐待する事だけど…最近は途中で寝てしまう事が増えてきた」

なんか人が聞いたらいろいろとあらぬ誤解を受けそうな台詞です。最近は弥子も”そういうプレイ”というかたちを理解し始めていますし。うん、誤解してもしなくても大差ありませんでした。

かっこいいところを見せた今週の笛吹。熱い、なんて熱い男なんでしょう。
どこか遠い別の世界では笛吹は笹塚との大学時代からの縁もなく、ヒステリア編ではヘマもしないけど活躍もせず、マネキンと同じくらいの役割しか果たしていない世界があったような気がしたけど、それは全部悪い夢でそんな世界は初めからなかったのですよ。
「自分の仕事のプライドを取り戻せ」という言葉を笛吹に言わせていることに、どうも松井先生の思いを余計に勘ぐってしまいます。

逆に笛吹の策にはまった血族の男。しかし、これであえなくジ・エンドではさすがに五本指の株が暴落します。これだけの刑事に取り囲まれながらも強行突破をしてのけるか、実は「五本指」というのがDRと同格の役職ではなくもっと下っ端の役職でした、というオチがありそうです。前回、葛西と話していた男はまだ顔も晒していませんし、この「五本指」はあれとは別人の可能性もあります。


2008/1/6


ジャンプ感想(2008年06・07合併号)

前号に続き、ルフィ、ナルト、一護と、ジャンプの看板漫画のキャラが前面に出てきた表紙になっています。それはまあ別にいいんですが、もう少し前号と区別の付く表紙にしてほしい。1/4発売って書いてあったのに今週号まだ置いてないのかなと買いそびれるところでした。


NARUTO

序盤、サスケとイタチが刺しつ刺されつしているのは『NARUTO』ではもうお馴染みの展開。ジャンプを愛読する女の子たちの間でも違う意味でお馴染みの展開です。
早い段階で致命傷を受けたり何の変哲のない攻撃でダメージを受けた時はそれを幻術か影分身と疑うことは、聖闘士に同じ技は二度通用しないのと同じくらいの定石となってしまっているので、正直、この序盤の戦闘にはまるで緊張を感じませんでした。影分身や幻術のアイデアは戦闘の幅を広げてくれて便利である反面、一度定着してしまうと序盤でどんな決定打をやっても、「ああ、どうせこれもスカなんだろうな」と緊張感を大幅に削いでしまうデメリットもあります。最後にサスケに背後から刺されたイタチもどうせダメージはないんだろうと思ってしまいますし。
あとサスケは本当に取り込んだ大蛇丸に精神を浸食されていないんでしょうかね。前はこんなに蛇大好きッ子じゃなかったはずなんですが。



BLEACH

今週の阿散井くんと石田くんは一言の台詞もなく、二人仲良く背景と化していました。阿散井についてはこれで正しい使い方ですけど、石田については一気に格落ちさせられた感は否めません。あと、いつの間にか姿の見えないペッシェとドンドチャッカはどこいったんでしょうか。二人仲良く金色足殺地蔵の下敷きになって死んでいてもおかしくない。彼らのやっていた努力ってほんとなんだったんでしょう。本当に何だったのかと問いつめたいです、久保先生に、あの展開には何の意味があったのかと。

こんな事もあろうかと卍解が自分に噛みつこうとしたら自滅するように改造し、こんな事もあろうかとネムの体内に薬を仕込んでいたマユリ様。どんだけ限られたシチュエーションを想定して予防策を張ってあるんだよ。



家庭教師ヒットマンREBORN!

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今週登場したデンドロのデザインと攻撃に、ものすごくやっちゃったな感が漂ってるんですが、『リボーン』好きの調布市民さんはむしろ喜んでいるのかもしれない。
あと、絵を見る限りでは肩にしかレーザー砲を装着していないように見えるのに、こいつがビームを発射した時には明らかに肩以外の場所からも発射されてるんですが、どこから出ているんでしょう。他に装着した可能性があるとすれば、股間の部分しかあり得ません。あ、なんだ、自己解決したよ。



うろおぼえウロボロス!(読み切り)

西尾維新と小畑健のコラボ作。以前も乙一原作小説の漫画化がありましたが、読者の反応がよければ連載化に持っていこうという計画がありそうです。ただ西尾維新作品の面白さって言葉遊びによるところが大きいので、漫画でそれがどこまで再現できるかは微妙な気もします。
内容はというと、「柿崎柿」や「小山少」のネーミングセンス、被虐的な主人公など、キャラクター設定は良くも悪くもいかにも西尾維新的な顔ぶれながらも、ジャンプ掲載であることを意識しているのか、ストーリーのあらましは主人公が人助けをして大団円をするというすっきりしたものになっています。連載化するには難がありそうなところですが、読み切りとして見る分には楽しめたところでしょうか。
柿崎の背中だけを見せる戦い方ってかなり無理があるような気はしますが、まああまり突っ込んでもしょうがないところですか。自分の頭の中では「ソウルキャリバー」のヴォルドをイメージして脳内補完しておきました。



PSYREN

雨宮さんはヤンデレキャラで確定。日本刀振り回すヤンデレさんというのはジャンプでは目新しいので、ぜひともがんばってもらいたいところです。
結局、朝河以外は全員死亡。かろうじて生き残っていた杉田もクリーチャーの追い打ちを受けて死んでしまいました。夜科、朝河、雨宮のように、名前に天候を示す文字が入っていないキャラは使い捨てと見た方がよさそうです。
杉田を救えなかったアゲハ。そこにさらに追い打ちをかけるように現れたのは、荒廃した富士の景色でした。どうやらアゲハたちが入り込んだサイレンの世界とは、どこかの別世界ではなく未来(?)の日本のようです。テレホンカード式の公衆電話や現代的なビルの廃墟などがあったところを見ると、そう遠くない未来に世界がこのようになってしまうものと予想されます。なんだか『漂流教室』的な展開になってきました。アゲハたちを襲ったクリーチャーはみな未来人なのかもしれません。そう考えると、朝河以外の脇役を全員ここで死なせてしまったのはちょっともったいない気もします。一人、関谷のような悪玉キャラを残しておいた方がおもしろくなりそうだったのですが。まあ、ヤンデレの雨宮さん一人いるだけで非常に緊迫した人間関係を築いてくれそうですけど。



テニスの王子様

幸村「ボウヤ、これは上着を落とすゲームじゃないよ」
幸村「ボールは分身などしない…常に一つだよ」
幸村「ボールは決して消えたりなどしない」

なんて恐ろしい男なんでしょう、幸村精市。越前の攻撃の一つ一つにすべてまともなツッコミを返しています。これは今までにいなかったタイプのテニスプレイヤーです。さすが神の子、空気を読む気なんかさらさらありません。
今週の『BLEACH』にゴールド・エクスペリエンスを連想した人は多いと思いますが、こちらでは幸村がG・E・レクイエムの能力を発動していました。しかしこれで、幸村の持つ能力が分かってきました。それは、相手プレイヤーがどんな凄い攻撃を発動しても、それを「現実にはありえない」と否定することで無かったことにしてしまう、事象を否定する能力でした。
これまで私たちは、『テニプリ』世界の中で人間が分身したり、観客席まで吹き飛ばされたり、竜巻を起こしたり、瞬間移動したり、デビル化したり、そんな超常現象の数々を起こしても、だってこれはフィクションだから、これはバトル漫画だから、だって許斐先生だからと、そんな理由付けで納得してきました。しかし幸村の能力はそれらを否定し、人外バトル化したテニスを強制的に現実レベルに引き戻してしまうのです。どんな能力を持とうとも、幸村の前では普通のテニスしかできないのです
幸村の能力をもう少し分かりやすく言えば、「空気を読まない能力」です。彼一人が常識的な発言をし、常識的なテニスをし、相手にもそれを強要するのです。まさに神の子、ラスボスにふさわしい能力が出て来ました。



魔人探偵脳噛ネウロ

段ボール・ウェア

大気圏突入も可能らしい。

ネウロが被害を最小に食い止めたとはいえ、1万人以上の死者、20万人以上の被害を出していたDRの水害。「こんなの…どうしようも…ない」と悲観する弥子の前に現れたのは先日弥子が出会った偽ホームレスのおじさんでした。前々から予想はされていましたが、彼の正体が本城博士ということで確定。シックスの血族に対抗する人間の一人として活躍することになりそうです。
それにしても明らかに段ボールである必要性がない物にも段ボールを適用する本城博士は、段ボールの可能性に啓蒙されているんじゃなくて単に段ボールフェチなだけだよなあ。

本城博士「本城刹那、娘を死に追いやったのは、決して病気ではない。その元凶を…父親の私は憎んでも憎みきれん」

過去に本城刹那の脳の病気については「悪意の固まりのような」と形容されていて伏線はありましたが、どうやらシックスの血族が関係しているようです。そうなるとそのうち、五本指の中に水使いや火使いのように、病毒使いの血族も出て来て本城博士の出番が回ってきそうです。