くず鉄作りの海 - ジャンプ感想ログ(2006/12)

2006/12/28


ジャンプ感想(2007年4・5合併号)


ワンピース

いい最終回でした。

と言いたくなるような大団円。
ウォーターセブン編の始まりから終わりまでに2年以上かかったわけですが、気が付けばコミックにすれば10巻弱、ジョジョ1部と2部を足した数に近い年月が、『ネウロ』の連載より長い時間が、経っていたわけです。
その締めくくりと思うと、ビビやスモーカーなどの懐かしのキャラなんかも出しておきたかったのでしょう。いい加減、読者の方も忘れているかもしれないし。作者の方が素で忘れていそうだったバギーとアルビダなんかも付録カレンダーの方には前面に登場していてしっかり覚えているようです。でも今さら、戦闘力で言えばベジータ・ナッパ戦の餃子くらいのこいつらがどうやったらグランドラインで活躍できるんだ?

ルフィの言動にいちいちツッコミを入れているウソップを見ていると、やっぱりウソップは麦わら海賊団の中にいなくちゃいけない人材だったんだなと思えてきます。ナミやゾロだとここまでハイテンションになれないですからね。

「コーラ樽3つも消費しちまうが1km飛べる!!」って、サニー号の動力ってコーラ!?
「未来の海賊王」の船が通過するたびに、あちこちで「あれ、なんかコーラ臭くねえ?」っていうつぶやきが聞こえるようになるのかなあ。そのうちも噂も広まって、ルフィの通り名も「麦わらのルフィ」から「コーラ臭のルフィ」に変えられたりしたら目も当てられないです。



リボーン

XANXUSがルッスーリアを助けなかったのは「何だってして」ほしくなかったからでしょうか。

チェルベッロ「デスヒーターは野生の象ですら歩行不能となる猛毒
それ人間に打ってもいいものだったのか。この人達はリングの守護者を地上最強の生物か何かと勘違いしているんじゃないでしょうか。
重体の幼児(ランボ)とかすでに死んでなきゃおかしいのですが。

重体で意識不明のうえにさらに猛毒まで打たれて虫の息の幼児のトドメを刺すのに超必死になっているレヴィアタンを見ていたら涙が出て来ました。



テニスの王子様



ついに死人の発生までが危惧されてきたこの試合。ポイントの度に観客席まで吹っ飛ばされている河村くん。今年の除夜の鐘の代わりに師範の煩悩を受け止めて108回観客席まで吹っ飛んでいくつもりでしょうか。そしてそれを見ても淡々とスコアを言い続ける審判もちょっと怖いです。ついさっきまで覆面とかモノマネごときに動揺していた人間性の見られる審判はどこに行ったのでしょうか。青学のメンバーも試合の経過よりも河村の生命を方を心配するべきです。
拾九式の時点ですでにスコアは4-0。このまま一段ずつ上げていっても、仮に河村が死ななくても108式まで出そうとすると、途中で段階を飛ばしていく必要がありますね。

河村「全身に受けるダメージこそ俺の方がどうみても多いけど、腕への負担はキミの方が多いハズだ――」
河村「勝負だぁーーーっ。この命尽き果てるまで!!

この台詞だけ見てもこれがテニスをしている人の台詞だとは思わないでしょう。そもそも目的がポイントを取ることから相手を戦闘不能することに変わっている時点でもう競技の目的を忘れています。

一方その頃、河村の父の寿司屋では…
客「ホラ、今日は息子さんのテニスの全国大会の試合があって」
客「へぇ、隆くんが凄いじゃないか!」
河村父「べらんめぇ、俺は隆を信じてる」

違う意味で隆くん凄いことになってますよ。
まさか親父さんもテニスの全国大会に出場しているはずの息子が全身血だらけにされているとは思ってないでしょう。
試合から帰ってきた息子の姿を見たら、こうなることでしょう。

河村父「お…おめぇ、そりゃ一体どこのチンピラにやられたんでい!今日は大事な試合の日だったってのに!」
河村「あ…いや、これは試合中のケガでこうなって…」
河村父「もう少しマシなウソをつけ!!!」



魔人探偵脳噛ネウロ

HALの事件も解決し、国を救った英雄として総理からも讃えられるようになった弥子。この手の話のパターンだと、主人公の活躍は大衆には知られぬままになったりすることが多いですが、その正反対でやってきました。
とはいえ、弥子にとっては望まぬ名声であることには変わりありませんが。

今週、篚口と弥子との電話中に登場していたシルエットの男。これ、穂村が逮捕された時に話に上がっていた葛西善二郎ぽくも見えますね。次回以降はいつもの”豹変系”の犯罪者でいくという予告もあるので、ここらで葛西が登場してくる可能性はありそうです。
その他のシルエットの犯罪者たちはなんか『ホムンクルス』に出て来そうな人たちですね。

篚口の前に現れた時の筑紫の顔がちょっと怖いです。ますます「後藤」に近くなってきている気がします。
そして笛吹は『ネウロ』のツンデレ要因らしく、見事なツンデレぶりを見せてくれました。感動のシーン一つを取っても、「涙」に関して出し過ぎず抑えすぎず、こうした余韻のきかせかたはうまいです。

電人HALの『謎』を喰って満足していたネウロ。しかし、これもまた「究極の謎」には足りないということで、まだまだネウロの『謎』探求は続きます。
「刹那のことを忘れるという選択はできなかったのか」ということについて考える弥子にネウロがしかけたのは………ゲェー!地獄の断頭台!いや、天井に打ち上げているからネオ地獄の断頭台か。
ネウロ「我が輩の挑発も拷問も、アヤやHALに流した涙も全部忘れるな」
やはり松井先生自身も弥子が涙を見せた事件がアヤとHALの時だけだというのを意識しているようですね。同時にこの二つの事件が弥子が成長を果たしたキーポイントの事件でもありますし。「涙の数だけ強くなれるよ アスファルトに咲く 花のように」ということで、弥子が流した涙も彼女の成長の過程の一つということはネウロも認識しているようです。その「涙」と並列に「挑発」と「拷問」を扱っているところがネウロらしいですが。



エム×ゼロ

ルーシーは今後も九澄と行動を共にするということで、レギュラー化が決定しました。これまで九澄が魔法を使えないことをカモフラージュする手段は、九澄自身の身体能力、柊父のサポート、M0プレートの力でやっていましたが、柊父が出て来てしまうと何でもありになってしまうし、残り二つだけでやろうとするとそろそろネタが尽きてきそうなところでした。そこでルーシーを追加したことで九澄の行動のバリエーションを増やす効果も兼ねているのでしょう。
さらに登場時からは魔法のサポート以外の役割もやっています。九澄の台詞に「クサッ」とツッコミを入れる役割。『魔法陣グルグル』におけるギップルの役割です。今までは愛花も観月も九澄の天然の台詞に素直にときめくだけで、読者としてはそのクサさに突っ込む者がいないことにもどかしい思いをしていましたが、そのもどかしさを解消してくれるのがルーシーなのでしょう。

非人間ということで思う存分『To LOVE る』以上の全裸で飛び回っているルーシーですが、コミックでの描き足しがいろんな意味で大変なことになりそうです。



ムヒョとロージー

「口寄せ傀儡」で呼び出された人間(の偽物)はバリバリ噛み砕いていたのに、ナナの時はスカートを破いただけで優しく丸飲みして消化液まみれにしているのはその方が読者も喜ぶと思ってのことでしょうか。こんなところで『To LOVE る』にケンカを売ってくるとは思いませんでした。助けるのがもう少し遅ければ服だけ消化された状態で出て来たのでしょう。女の子のスカートがちょっと破けているだけで赤面してそっぽを向いてしまうギンジくんなどは、もしこんなことになったらベタに鼻血を噴き出すくらいのナイスリアクションは見せてくれていたかもしれないと思うと惜しかったと思わずにいられません。
あと「口寄せ傀儡」の一番手前の人が恵比寿に見えたよ。


2006/12/22


ジャンプ感想(2007年3号)


重機人間ユンボル(新連載)

この作品は、5歳の少年が鞭を振り回す金髪の女王様に従えられて傷ついたり苦しんだりする、ショタ趣味のお姉様方の嗜虐心をそそるお話です。
とりあえずリベット様変わりすぎです。あまりにも変わりすぎで、整形したアイドルの変化前と変化後を見てしまったかのようなもにょもにょした気分になってしまいます。5年の間に随分とお金かけましたね姫様。
そういえば、扉絵に登場したキャラクターが第一話にして全員死亡しているという、かなり大胆なことをやってますね。

お話としては、ふざけた設定でシリアスをやるという、武井先生がやっていそうでやっていなかったパターンです。しかしさすがベテラン漫画家と言うべきか、工事現場とファンタジー(もしくはSF?)という異質な組み合わせをうまく料理しきっています。細かい台詞にも工事絡みの言い回しを混ぜてくるこだわり方は『格闘料理人アウディ』を彷彿させますね。昔からこのタイプの話を得意としていたと思うくらいに世界設定とお話のノリが馴染んでいます。
「ゲンバー大王は現場主義」、「博士番長Dr. ドカルト」、「工事の力の恐ろしさってやつをガツンと」等、これを真面目に言わせているカオスぶりがなんとも気持ちいいです。
また、第一話にしてかなり情報を詰め込んでいますが、それにも関わらずちゃんと読ませる作りになっているのもさすがと言えます。
先週似たような系統の話で『神力契約者M&Y』が同時期連載開始していますが、これと今回の『ユンボル』を比較してみるとなんとも………
正直、『M&Y』がかわいそうになってきました。作者の力量一つでこうも内容に差が出てしまうものなのだということがこれでもかというくらいに見せつけられています。編集部は『ユンボル』の引き立て役のために『M&Y』を連載させたとしか思えません。ジャンプ初連載の漫画家にこの仕打ちはあんまりだと思います。



ワンピース

ラストのルフィの顔のアップが次ページの大田原先輩のアップとかぶってたよ。

もう、お話の要所要所で「泣き」のシーンを入れてくるのが『To LOVE る』がパンチラシーンを入れてくるのと同じくらいに定番になってきました。
ウォーターセブン編では、ロビンの「生きたい」宣言、メリー号との別れ、フランキーの仲間入り、ウソップの復帰、さらに回想編を入れると、フランキーの過去話、ニコ・ロビンの過去話で、計6回、ルフィが海賊王になるまでに後何回人が泣くことになるのか。

ガープ中将の拳骨大砲、やっていることはすごいけど、作業内容的には下っ端のするべき仕事って感じがします。下士官に言われて建物の修理まで自分やっちゃったり、上司がするべき仕事ではないことも自分でやっちゃうタイプの人なんでしょうね。現場主義ですね。ガープ中将は現場主義。



リボーン

扉絵は『リボーン』ファンのお姉様方へのサービスでしょうか。いろいろとアレな光景に見えなくもないです。

XANXUSの能力は「憤怒の炎」。ヴァリアーの中で唯一名前が七大罪つながりでなかったXANXUSでしたが、技の名前でつなげてきたようです。
激昂した時にのみ見せるという「憤怒の炎」ですが、さっきからずっとへらへら笑っているXANXUSも実は腹の中では怒髪天を衝く勢いで怒っているのでしょうか。たまに笑いながら怒る人っていますが、こういうタイプの人っていろいろとタチ悪かったりします。
XANXUSの銃のデザインがなんか水鉄砲ぽいのは憤怒の炎を水鉄砲の要領で発射しているからなんでしょうか。XANXUSには憤怒の炎を撃つ時に「エンカボーダンをくらえ〜」と言ってほしいです。



ラルΩグラド

どうやら小畑(鷹野)先生は『To LOVE る』にトドメを刺すつもりのようです。

叶先生「聞いたよ。てっきりジャンプのエロス漫画ナンバー2だと思ってたらそうじゃねェ」
小畑先生「その通り…『ラルΩグラド』とは二代目。『To LOVE る』……………の二代目」
叶先生「初代がまだいるぜ」
小畑先生「ミスター矢吹の時代は終わりを告げた。読者もそれを望んでる」
小畑先生「彼のあのバカげた漫画振り―――実のところ誰も認めちゃいない。女の服を脱がすだけでエロスを主張し続けている」
叶先生「アンタは違うのかい」

エロスはまあ、定期的なものになってますが、今回のラルの人材発掘話は普通のお話としてもおもしろかったです。



テニスの王子様

中学生でフケ顔だからって「師範」なんてあだ名はどう見てもいじめだと思った。

不動峰の石田・弟からパクッた波動球を昇華させたダッシュ波動球を使う河村と、元祖波動球の使い手の石田・兄の対決、少年漫画的には当然波動球勝負の試合となります。元祖波動球の使い手を前に思うところがあるのか、いつもはラケットを手にした途端、「バーニング!バーニング!」と脳がやられた犬のように連呼してテンションの上がる河村も、今日は妙に物静かです。

ダッシュ波動球を壱式波動球で返されたうえにラケットまで吹っ飛ばされた河村。
弐式波動球がクリーンヒットして無様にコートに倒れる河村。
参式波動球で天高く吹っ飛んでいった河村。
やばい、殺す気だよこいつ。明らかに相手プレイヤーにぶつけるつもりまんまんで打っているのに審判は注意しないのでしょうか。試合中に覆面を被るとかそんな些細なことには注意するのに、コート上で公開殺人が行われているようとしているのを止めない審判の倫理観はどうなっているのでしょう。
弐式波動球の時点でもう壱式との違いがわからないのですが、どうやら河村のやられ具合で壱式〜○式波動球の威力の違いを表しているようです。テニスの試合で血反吐を吐いてうずくまるというありえない光景が展開される中、このまま四式、伍式の波動球を繰り出されたら河村はいったいどうなってしまうのでしょうか。というか師範の波動球は何式まであるのでしょうか。



ヤバイ。波動球ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
波動球ヤバイ。
まず吹っ飛ぶ。もう吹っ飛ぶなんてもんじゃない。超吹っ飛んでる。
吹っ飛ぶとかっても「河村一人ぶんくらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ波動。スゲェ!なんか人にぶつけてるの。何人とか何試合とかを超越してる。波動だし超吹っ飛ぶ。
しかも百八もあるらしい。ヤバイよ、百八だよ。
だって普通は百八もいかないじゃん。だって超サイヤ人が超サイヤ人108までパワーアップしてったら困るじゃん。フリーザとかセルとか困るっしょ。
波動球が伸びて、一年のときは壱式だけで全国大会行けたのに、三年のときは百八倍とか泣くっしょ。
だから悟空とか超サイヤ人108になったりしない。話のわかるヤツだ。
けど波動球はヤバイ。そんなの気にしない。殺戮しまくり。見てても壱式と参式の違いとかよくわかんないくらい。ヤバすぎ。

この前の『BLEACH』の破面のように、なぜか煩悩の数だけ段階のある元祖波動球。これに対抗するには河村先輩も「俺のダッシュ波動球は1200式まである」と言いはなってほしいところです。この世界は言ったもん勝ち的なところがあるので、ウソでもハッタリでもとりあえず言っておけばいいと思います。

参式の時点ですでに血反吐を吐くダメージを受けた河村ですが、この後百八式までいくとどうなってしまうのでしょう。


・壱〜参式波動球



河村も吹っ飛ぶ破壊力。
血反吐を吐いて倒れている河村にも師範は容赦はしない。


・十式波動球



十式以上の波動球の使い手は、もはや波動球を繰り出すのにラケットという補助道具を必要としない。鍛え上げた己の肉体から直接波動球を繰り出すことができる。
全身複雑骨折の目にあっている河村だが、それでも師範は容赦しない。


・伍十式波動球



伍十式以上の波動球を極めるともはやラケットやボールという概念は意味をなさなくなり、己の身体エネルギーを放出させることで波動球を繰り出せるようになる。


・八十式波動球



八十式以上の波動球を繰り出すには、通常の人間の肉体では限界があり、波動球の強大なパワーを制御するために肉体をより強靱なものへと変化させる必要がある。



・百式波動球



百式を越えた時、師範の体に異変が……!




薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果て、百式波動球の境地に到達した師範。
この時河村の体はすでに塵と化していたが、それでも師範は容赦しない。


・百八式波動球



そして師範のすべての力を開放した百八式波動球。
すでに河村がどうこう以前に地上の三分の一が崩壊しているが、それでも師範は容赦しない。



魔人探偵脳噛ネウロ

刹那を救えなかった春川の屈辱と挫折。天才と呼ばれてきた自身のプライドと最愛の人を同時に失ったのです。その春川が決意した刹那を0から造り出そうという試み。限りなく不可能に近いこととわかっていながらも諦めきれなかった春川。春川とHALを犯罪行為へと走らせたきっかけは非常に人間的な動機からでした。
目的の達成が電人であるHALには可能で人間である春川には不可能だった理由、それは生身の春川が生きている間には到達できない膨大な時間が必要だったからでした。とはいえ、それは永遠に近い時間を生きられるHALにとってさえもいつ達成できるのか分からない挑戦でした。春川には0%の可能性だったものが、HALにとっては0.000000000000000001%だけの見込みがあっただけのことでしかなかったのでしょう。
HALを生み出した春川は、どんなにがんばっても肉体の寿命が来れば強制的にその目的を諦めざるをえません。しかし、デジタルの世界に永遠に生きることが可能なHALには時間の制約はいっさいありません。そしてその目的を諦めることは、「刹那を造り出すため」に造り出されたHAL自身の存在を否定することに他なりません。「この計算を止めた時点で…存在の意義も存在の意志も失う」というのはそういうことです。
しかもHALには自分自身を消去する権利が与えられていませんでした。春川に造られた時点でHALには諦めるという選択肢自体が存在していなかったのです。だから自分のしていることが無謀な挑戦でも、目的の達成のために他のたくさんの人間を傷つけ、世の中を混乱に陥れることになるとしても、他の誰かが止めない限り、HALには自分を止めることができなかったわけです。
わざわざパスワードのヒントを弥子に与えていたHAL。あえて自分の身を危険に冒すようなことをしていたのは自分を止める最後の可能性を弥子にかけていたからなのでしょう。アヤ・エイジアの事件の時も、犯人であるアヤは完全に警察の疑いがそれていた事件をあえて探偵(弥子とネウロ)に調べさせることで自分の最後の贖罪のチャンスをかけていました。アヤの事件も、HALの事件も、そこにケリをつけるべきは初めから魔人のネウロではなく人間の弥子の役割だったのです。

消去の寸前、残り0.000000000000000001%の存在になった時に刹那の存在を感じることができたHAL。1の世界でも、1と0の狭間の世界でも会うことのできなかった彼女に、本当の0(死)の存在になる直前になって出会わせたことは、電人HALの消滅がプログラムとしての0化(死)ではなく、人間としての0化(死)を果たしたことを意味しているのでしょう。

HALの死(0化)に涙を流す弥子。きっかけはHALを倒すためであったとはいえ、そのために誰よりも春川とHALのことを理解した彼女にとって、辛い結末でもありました。これまで、ギャグシーンをのぞいて弥子が涙を見せたのは、第一話の父親の死を悲しんでいるシーンと、あとはほんのわずか目に浮かべているだけでしたが、アヤの事件の結末の時だけでした。
そこに少々空気の読めない人感で戻ってきたネウロでしたが、弥子の反抗にそれ以上追求しなかったのは、ネウロなりに弥子の気持ちの変化を理解していたのでしょう。ネウロにはいまだ人間の気持ちを理解するということはできないことでしょうし、「物理的トリックを解く」役割と「人の心を解く」役割が変わることもないでしょうが、人間の中に自分にはまだ理解できないものが存在していることをネウロも理解し、尊重するようになったのでしょう。

最後に、冒頭で刹那の症状が「悪意の固まりのような病気」、「人為的なものじゃないだろうな」と言われていましたが、この辺り今後の伏線にもなってきそうです。特に「悪意」というのは『ネウロ』の中では重要なキーワードなので、意味もなく出してきたとは思えません。


2006/12/14


ジャンプ感想(2007年2号)


神力契約者M&Y(新連載)

さて、残念な結果となってしまった『M&Y』ですが、何が悪かったのか、ここで振り返ってみることにしましょうか。

まず絵についてはかなり描き慣れており、レベルは高かったと思います。元々同人誌、成人向け漫画誌でキャリアのある方らしく、ベテランに近い方なのでそこはうなずけるところです。ただ絵柄がジャンプ向けの絵柄ではなく、少年ジャンプという漫画誌においてはかなり空気の違い、違和感を持たせてしまうところはあります。これは設定・ストーリーについても言えるところがあります。
絵の技術面は問題ないのですが、造形には正直魅力が感じられませんでした。服装、怪物のデザイン等、全体的に古臭さが感じられてしまうところがあり、10年以上前の漫画を読んでいるような印象です。また、ヒロイン(?)優名にいろんなコスプレをさせて萌え方向でのウケを狙っていますが、微妙に外し気味です。例えば今回メイド服を着せていますが、何か野暮ったくて、彼女がメイド服を着ているんだということを認識するまでに数秒かかりました。いまいち描いている服へのこだわりが感じられないのです。メイド服とか露出度高い水着とか、こういうものを着せておけばウケるだろうというくらいのものしか感じられません。メイド服にしても布のひらつき方や細部のデザインが微妙におかしくて、何か違う種別の服に見えてしまうのです。

ストーリー・設定は長らくジャンプでは見られなかった少年漫画の王道をいっています。しかし、子供から大人に変身する主人公、ちょっとこっ恥ずかしい必殺技名、どこで調達したのかよくわからない主人公達の衣装等、今ではサムすぎてジャンプでは素でやる人もいなくなった王道をやってしまっています(ただ、中にはインパクトをつけるためにあえてやったり、ギャグとして割り切ってやってこういうことをやる漫画もあります)。
お話的には「こう来たか」と思わせるような意外性はありませんし、キャラクターの性格も王道すぎて少年漫画のテンプレにきれいにはまりすぎてしまっていて目新しさがありません。
別に王道的な漫画要素が悪いとは思いません。ただ、この漫画にそれ以外の目新しさ、目を引く奇抜なものが何かあるかと言われると、何も出てこないというのが答えです。仕上がりはきれいだけれども、人の興味を引く要素が完全に欠けていたのです。
そのためあえなく打ち切りとなってしまったのもしかたのない結果と言えたでしょう。



ワンピース






















もげるわいなー!!!
もぎりとれるわいなー!!!束ねたトランプの様に!!



               . -―- .       やったッ!! さすがニコ・ロビン
             /       ヽ
          //         ',     他の海賊に
            | { _____  |     できないことを平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ  
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′  そこにシビれる!あこがれるゥ!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ

これまでジャンプにおける「少年のための変態主人公漫画」の名を欲しいままにしてきた『もて王』に強敵が現れました。尾田先生の『ワンピース』……『もて王』でさえいまだ到達していなかった境地、「男の○○○○を握り潰す」という暴挙を第四三七話にしてやってのけました。これは正直全くの予想外、ロビンのさわやかヅラに騙されました。梅澤春人先生でもこんなことはやりません。ロックすぎます、尾田先生。

キャプテンを務めていたモンキー・D・ルフィはこのときの様子をこう語っている。
「……アハハハ、ここであえて「技」という言葉を使ったのはですね」
あれは技じゃない
「ニコ・ロビンの握力って握力計では計れないんですってね」
「桁外れの握力にモノ言わせて男の○○○○を握り潰すなんてねェ」
「技とは呼べんでしょう」
二輪咲きって言われてるんですって?後で聞いたンですけど」

二輪咲きどころか二輪とも萎れたつぼみのようなことになっていると思います。



魔人探偵脳噛ネウロ

ヤッベ!刹那さんがかなりかわいいです。ネウロではこういう正統派美女が登場する機会が少ないからまた新鮮です。とか思った矢先に刹那さんを豹変させてくれる松井先生も最高です。
10月18日生まれにちなんで1/10の18乗=刹那というネーミングセンスはなんとも理系、というか数学者っぽい付け方ですが、もし生まれた日が一日でもずれていたら、「本城六徳」とか「本城弾指」って名前にされていたんですよね。10月15日生まれで「本城須臾」とか、10月23日生まれで「本城阿頼耶」とかになったりしたらもはや名前を正しく呼んでもらえるかさえ怪しくなってきます。小学校低学年のうちは自分の名前を漢字で書くことすらままならなかったと思います。
それにしても春川教授と刹那さんの関係がまたちょっと古風な感じでグッときます。クセの強すぎる教授の性格も含めて好きになれるっていうのがいいですね。ああでも、江崎さんの例もありますし、結構もてていましたっけ、この人。

春川教授とHALの目的が刹那を0から創ること、春川教授がHALを模写(トレース)して作った理由は、この計画の手助けとして自分と同等の知性の持ち主が必要だっただけでなく、0から刹那を作るための実験も兼ねていたのでしょう。とはいえ、いつか刹那を創ることに成功した時、その時自分が二人いては彼女を二人の自分で取り合うことになってしまいます。春川教授がHALの削除権限を自分だけに持たせていたことから見ても、目的が達成された時にはHALは削除してしまうつもりだったのでしょう。そのことを予測していたからHALも春川教授を早い段階で殺害してしまったのかもしれません。

「…クククク、セミと同じレベルでもちっともうれしくないよ」
満更でもなさそうな顔して言ってますよこの人。
ところでX編の時にネウロも弥子のことを「セミ」呼ばわりしていましたね。その後絵石屋邸編で節足動物から「毛ジラミ」に降格されていましたけど。同じ「セミ」呼ばわりでもシチュエーションが違うだけで、プラトニックラブからSMプレイへとこうも変わってしまうものなのですね。

あとまだ一つ明確になっていないのは、春川教授が電子ドラッグを作った理由でしょうか。HALはこれを強硬手段で目的を達成するための道具として使っていましたが、当初、春川教授はHALが大量の人間を電子ドラッグに感染させたことに驚愕していましたし、今のように日本中を騒ぎに陥れるようなこともまったくの想定外だったようです。電子ドラッグを今のような使い方をしたのはHALの独断と思われます。これも元々は0から刹那を創り出すための一過程の内にあったのではと思われます。



ラルΩグラド

「ビラ様パンツ下さい〜」
いやもう手下カゲたちのストレートな欲情ぶりが面白かったです。
ビラ「私の唇から直接唾液を与えるーーーッ」
主の方も変態だし。
一応カゲにとって、髪の毛とか体の一部を取り込むことに意味があるってフォローを付けているのに、その直後に「入れるのはたんまり舐めて味わってからだ〜」とかわざわざそのフォローをブチ壊しにしているところが最高です。
『To LOVE る』のヒロインが天然痴女なら、こちらは正統派痴女といったところです。
このカゲたちって、もしもこの世界に2chがあったら、↓こんな風に「ビラ様ハァハァスレ」とか立てて盛り上がっているんだろうなあ。

1: 【パンツ】ビラ様にハァハァするスレ 347枚目【下さい】 (878)   2: ビラ様はエロ美しい (469)   3: ナムン国の女がサイコー 2 (11)   4: 【眼鏡】ミオ先生萌えスレ part2 【巨乳】 (14)   ……  34: グラドアンチスレ 2(78)   34: ビラ様の髪の毛を愛でるスレ3本目 (706)   35: ビラ様のヒトミに見つめられてジョーハツしたい奴の数 → 3000 + (556)   36: グラドのタテガミに貫かれたい奴の数 → 6000 + (891)   ……   211: ミサたんにハァハァするスレ MISA☆14 (289)   212: 中の者などいない!! (54)   213: 実はオレも特集融合型だという奴の数→ (343)   214: ロイ様を地味に応援するスレ (37)   ……


ところで、髪の毛を与えるのは説明があったからいいとして、「唾液を与える」って、これも意味あるんでしょうかね(性的な意味をのぞいて)。
あと「直接唾液を与える」っていうのはこういうことですか?




もしかして、ビラ様のヨダレにも弱いけど治癒能力があったりするんでしょうか。傷口にかけても効能はありますが、直接口移しで飲み込めば回復力は段違いに高かったのかもしれません。
そうか、ドルドーニさんがあんまり回復しなかったのはネルのヨダレを飲まなかったからなんですね。ネルがゲロったヨダレを直接飲み干していたら、きっともう一度斬魄刀解放できるくらいには回復できていたんでしょう。



テニスの王子様

桃城&海堂「不二先輩っ!!決勝っ!行きましょう!!」
あんなスポーツを冒涜した茶番劇を見せてくれた奴らにそんなことを言われても、試合に負けて落ち込んでいる不二としては「お前らだけには励まされたくねえよ」と言いたいところでしょうが、そこは先輩としてぐっとこらえているようです。なんか不二が負けたのは試合で面白いことをしなかったからみたいなノリにすらなっています。



P2!

王華副将「ところでうちの競技室を見てくれ。こいつをどう思う?」
ヒロム「すごく…大きいです…」

例の王華二人組の再登場。まずは普通の爽やかなヘアスタイルになって再登場した柊くん。あの髪の毛は付け毛だったという苦しい言い訳をしていますが、よっぽどあのヘアスタイルが評判悪かったものと思われます。
そして、もう一人のアキラくんはなんと女装趣味のある男の子でした。
なるほど、萌えやエロなど、変な方向での流行を急速に取り入れつつあるジャンプでいつかはこれをやるのは必然のことでした。かつて『ボンボン坂高校』や『プリティフェイス』も通った道です。
ああいや、もちろんわかってますけど…
こんなことをやられてしまうと、作者の絵柄も相まって、暴れん坊将軍のような登場をしている王華の主将の人とか、他のキャラまで実は女性なんじゃないのとかそんな疑いすら出て来ます。
ところでアキラがかぶっている海パンみたいな帽子も制服の一部なんでしょうか。

しかし、いくら中学生とはいえ、同じ卓球部同士とはいえ、休日に年頃の男女が二人きりでおでかけなんてデートに他ならず、デキてるんでしょうかねこの二人。お互いに下の名前で呼び合っていたので兄妹なんてオチはないはずです。


2006/12/7


ジャンプ感想(2007年1号)


ラルΩグラド(新連載)

               . -―- .       やったッ!! さすが小畑先生
             /       ヽ
          //         ',     『To LOVE る』や『エム×ゼロ』に
            | { _____  |     できないことを平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ  
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′  そこにシビれる!あこがれるゥ!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ

これまでジャンプにおける「少年のためのエロス漫画」の名を欲しいままにしてきた『To LOVE る』に強敵が現れました。小畑先生の新連載『ラルΩグラド』……『To LOVE る』でさえいまだ到達していなかった境地、「ヒロインの服を破り裂いて乳房をもむ」という暴挙を第一話にしてやってのけました。これは正直全くの予想外、表紙のさわやかヅラに騙されました。少年ジャンプでこんな事をするのは梅澤春人先生くらいだと思っていました。ロックすぎます、小畑(鷹野)先生。
「パンチラ」の境地ならすでに通過済みの矢吹先生でしたが、女の子の胸の描写に関しては泡や髪の毛等のパーツを駆使して、可能な限り露出させながらもいかにモロにならないように際どく隠していくかに尽力していました。最終手段として規制がいくらか緩くなるコミックで描き足すという裏技まで使っています。
しかし、そんな矢吹先生の尽力をまるで他愛もない小細工とあざ笑うかのごとく大胆な隠し方を見せつけました。道具を使って隠すという発想を転換させて、主人公に「もませた」のです。

       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡   なにジョジョ?
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡   これ以上やったら少年誌の規制に
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了   引っかかるかもしれない?
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)  
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)   ジョジョ
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~    それは無理に隠そうとするからだよ
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}      逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ      「もんじまえばいいのさ」と
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´       考えるんだ
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {

コロンブスの卵のようなシンプルにして誰も考えなかった発想。「お前のその両の腕は何のためにある?」と問われたら「女性の乳房を隠すためにある」と答えましょう。かっこいいから。



ワンピース

新連載でそのような事件が起きていることを知ってか知らずか、尾田先生も『TO LOVE る』には脅威を感じていたのか、『ワンピース』でもついに「は い て な い」をやってのけました。
一張羅をはぎ取られ、バカ彦くん状態で街中を走り回され、ウォーターセブンの公然猥褻物扱いになったフランキー。もはやパンツがどうこう以前にいろんな意味でもうこの街には居られないと思いますが、その意味では作戦は成功したのでしょう。今さらパンツを返してもらったところでこの数十分の間にフランキーが失ったであろういろんなものはもう返ってきません。フランキーがウォーターセブンで積み上げてきた人生を強制終了して新しく海賊生活のスタートです。



リボーン

ボンゴレにはツナとXANXUSの他にあと3人もボス候補者がいたことに驚きです。確かもともとボンゴレファミリーではボス候補者がみんな死んでしまって、他に候補者がいなくなったから遠いボンゴレファミリーの血筋のツナに強制的にお鉢が回ってきたという覚えがあるのですが。まあ、他の3人はXANXUSに殺されてしまったということなのでしょうが。そして、本人のあずかり知らぬところで勝手にマフィアの後継者争いに巻き込まれていたらしいツナはこれを聞いたらどう思うのでしょうか。
それにしても、ツナのことを無理矢理にでもスゴイ人物と結論づけようとしている獄寺たちの会話は、端から見たら胡散臭い自己啓発セミナーか新興宗教に引っかかった人たちに見えなくもないです。

最期の大空のリングをかけた戦いでは、6つのリングと守護者全員の命をかけることになりました。すでにツナの側が4勝3敗で勝ち越していたことはなかったことにされているようです。まるでバラエティーの早押しクイズ番組のような展開です。今まで一問10点のクイズだったのに、ラスト七問目にして100点の問題にして今までの勝負はなんだったのか的な展開です。もうチェルベッロとXANXUSがグルだということがバレてしまったので、XANXUSを勝たせようとする手口が露骨になってきたようです。



BLEACH



             _,,,. ‐─‐-- .,,,,,_
          ,,,-‐'''";;_;;;-‐──‐‐--ヽ
        /;;;;,,-‐''" _,,,,--‐──‐--ヽ、
      /;;;;,/ ,,,-‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
      /;;;;;/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ   わぁ
    /;;;;;;/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;l;|   ネルの口って
     |;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/リl;;;| ゙、;;;;;;;;;;;;;;|リ   何でも出て来るのね
    |;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;/l,,ノ;/  |/   lハ;;;;;;;;/
    |;;;;;;;;|j;;;;;;;;〃/l∠ニ'"      ‐ニ、 l;;/    まるで
     |;;;;;;;;l;;;;;;;;/'" ,r''{。;;;;;l`    , 〈 l。;;;}.〉 |_    魔法のカバンみたい
    |;;;;;;;,-、;;|   ヽ`ー''"    ゙、 `ー'''  | |
      ゙、;;;|''ヽ l            , /      |ノ
       ヾ、ヽi                  |
        入__ ,、        _,--‐ァ    /゙、
        l;;;;;;;;;;ノ \     ヽ__,ノ   /;;;;;;l
          ヽ;;;〈  | ゙ヽ、.        /ヽ;;;;;;ノ
         /;;;;;ヽ  |    ゙''‐- ,,_ ,.イ  /;;;;;;;ヽ
         l;;;;;;;;;;| _|        _,,,,>、|;;;;;;;;;;;;;|
        ヽ;;;;;7/::| __,,,-─'''":::::::::`ヽ、;;;;〈
        (;;;;/:::::゙i/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"''-,,_
        l'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"ニ-,,_
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,-‐'''":::::::::::::::ヽ

高性能ではないらしいですがリフレク機能だけでなく回復機能まで具備していたオールマイティな便利ぶりを見せるネル。十徳ナイフみたいな子です。
しかし、「コイツのヨダレには弱いけど治癒能力がある」って、元々人間(じゃないけど)の唾液には消毒、細胞の成長を促して傷の修復を早める成分が含まれていますが、ここで言ってる治癒能力ってそのことでしょうか。ネルのヨダレに治癒能力があるとかいうことではなく、ただ普通にヨダレをぶっかけているだけなのかもしれません。
この後石田やチャドたちも十刃落ち相手に苦戦して大ケガを負うと思うので、みんなにゲロッパーかますネルの姿が見られることでしょう。



魔人探偵脳噛ネウロ

ついにHALとの直接対決。ネウロが初めて電子ドラッグの存在を知ってHALに接触した時を含めて、これで三回目の戦いになります。しかし今回は魔力を大幅に消耗しているとはいえ全力のネウロが、そしてHALには自分を守る「スフィンクス」ももうなく、初めて全力のネウロとHALが直接ぶつかることになります。
意外に早く電脳世界から戻ってきたネウロ。まさかここまで来てHALには後一歩及ばすだったのか………と思わせておいてのネウロの魔力復活、アンド大暴れ。先週オズワルドに特攻してからHALとの戦いに決着がつくまでにわずか二週。展開を長引かせるのが最近の流行のジャンプでこんなハイペースで話を進められたら、打ち切りが近いんじゃないかと心配して心臓に悪いです。

これまでになく巨大で高品質のHALという『謎』を喰ったネウロ。凄い勢いで喜んでいます。ネウロがここまでハイテンションになったのって初めてですね。
そんなネウロを「なんか子供みたい」と言っている弥子ですが、魔人が無数の凶暴な電子ドラッグ感染者の群れを嬉々としてぶちのめしている、人によっては地獄絵図にも見えそうな光景を見てそんな風に微笑んでいる弥子もかなり度胸がすわってきています。

さて、気になるパスワードの答えですが、答えは、
「1/1000000000000000000」(0.000000000000000001=刹那の単位)
そしてこれは1と0の間の単位であるとともに、ある人物の名前でもありました。
これについてはムーさんの予想が見事にビンゴ。
少数の単位としては「刹那」は最小の単位ではなく、更にその下に「六徳」から「涅槃寂靜ねはんじゃくじょう」まであります。もし本城さんのお名前が「本城六徳」とか「本城涅槃寂靜」だったりしたら、パスワードの制限文字数も22文字や27文字になったりしていたのでしょう。

「/」が割り算を示しているところ、「1」と「0」の数字が使われているというところまでは予想できていましたが、ここまでは予想できませんでした。
しかし、ここ数週の話を見返すとしっかりとヒントは与えてくれていたんですよね。

第1のヒント:春川とHALの共通の目的(第83話)
これはHAL自身が口を滑らせたことでしたね。

第2のヒント:その目的の動機は個人的な理由(一人のエゴ)によるもの(第84話)

第3のヒント:半角英数字のみ(第85話)

第4のヒント:「/」が初めから入力されている(第85話)

第5のヒント:入力文字数の上限は最大で21文字(第86話)
通常は最大入力可能字数=パスワードの文字数とは限らないとはいえ、ここでヒントとして出しているうえに、制限字数としては中途半端な文字数であることを考えれば、パスワードに使用されている文字数=21文字であるというのは当然予想されることです。
ここで「1/0」という予想は違ったなと思いました…

第6のヒント:億、兆、以上のケタ(第86話)
これは弥子が叶絵との会話から得たヒントですが、実は上のケタではなく下のケタだったというフェイクも混じっていました。

第7のヒント:弥子が入手した書類(第86話)
はっきり言ってここに思いっきりヒント(というか答え)が隠されているとは思わず完全に見逃していました。しかしよく見ると、「本城刹那」という名前がしっかりと入っていました。



ムヒョとロージー

エンチューに頭をつかまれているティキがかわいいです。ネウロとヤコみたいじゃないですか。

よくわかりませんが、ムヒョとロージーは『同調』シンクロができるらしいです。トップクラスの魔法律家とその助手ともなれば、それくらいのこともできないといけないのでしょう。世界のトップレベルの魔法律家はみんなこれができるのでしょう。



テニスの王子様

アフロを付けたり、覆面をかぶったり、モノマネを始めたり、玄人向けの扱いにくすぎる長い独り言を呟いたり、そろそろ自分が今読んでいる漫画が何の漫画だったのか自信が持てなくなってきました。

しかし人真似なら、すでに「無我の境地」を使う異星の方々が通過済みの場所で、『テニスの王子様』に慣れてきた読者なら今さら声とプレイスタイルのモノマネくらいではそんなに凄いとは思えなくなってきていることでしょう。跡部様なんて素で人の技のコピーをしていましたよ。しかも越前からパクったCOOLドライブにいたっては、勝手に自分の技名を付けて自分のオリジナル技のように使っていました。突っ込まれたらインスパイヤされただけとでも言うつもりだったんでしょうかね。ここまで図々しければ違う意味でまた凄いと思えるのですが。


2006/12/2


ジャンプ感想(2006年52号)


リボーン

4勝3敗でツナたちの勝利に終わるはずだったリング争奪戦は、XANXUSの悪知恵によりなんとなくうやむやになったままツナとXANXUSの対決でケリを付けることになりました。
もしも負け越した時はモスカを暴れさせて相手を皆殺し、それに失敗したら九代目死亡のどさくさにまぎれて戦いを仇討ち戦に変更してもう一勝負。いくつも保険をかけてよく計画されていますが、負けることを前提にしている時点でやっていることは結構セコいです。次の勝負でXANXUSがツナに負けても、チェルベッロに戦いを三本勝負、五本勝負に切り替えてもらって、次は大食い対決、その次はクイズ対決とさらに延長をかけるかもしれません。最終的にはツナの学校を舞台に、最後まで立っていた一人が勝利者となる全勢力入り乱れてのバトルロイヤル、そこになぜか混じっていた内藤ロンシャンが一人生き残って次期ボンゴレボスの座につくかもしれません。

そして一時の休息。話の舞台が日常に戻った途端、待ってましたとばかりに登場するヒロイン三人娘。特にビアンキなんてこの機会を逃したら次の再登場は年単位で先のことになりかねないから、(年齢的に)かなり無理して制服を着用してまで登場するという気合いの入れようです。
リボーンがわざわざツナに学校に行かせたのも、きっとこの後勝っても負けてもカタギの生活を送れるのはこれが最後と気を利かせてくれたのでしょう。
ところで、「夜の相撲大会」といういかがわしい響きのイベントに意気込んでいるツナを見て、胸をときめかすことのできる京子はよほど純真なのか、よほど変態なのかのどちらかでしょう。

最後に「お前はここに帰ってくるんだぞ」と言っているリボーンですが、ツナをマフィアのボスに付けようとしている男の言うセリフじゃありません。



魔人探偵脳噛ネウロ

ネウロ「我が輩のターン、ドロー。『AH-64 アパッチ』を攻撃表示、伏せカードを1枚セットしてターンエンド」
HAL「行くぞ、私のターン、ドロー。私は魔法カード『スフィンクス』を『オズワルド』に装備。『AH-64 アパッチ』に攻撃!」
ネウロ「罠発動!『無気力な幻灯機』イビルブラインド。『オズワルド』の攻撃を無効化、『スフィンクス』は破壊される」
HAL「………!!何ということだ…『スフィンクス』が破壊されるとは!!だが私は手札より『パスワード』を発動。君の攻撃が私に届くことはない」
ネウロ「ならば我が輩は『奴隷・弥子』を発動!これで…全ての障害は消え去った」
HAL「…バカな」
ネウロ「『謎』を展開だすがいい、HAL。最後の勝負だ」

そんなわけで、HALにたどり着くまでの空母、「スフィンクス」、パスワードの三つの関門、これらの突破はかなりスピーディーな展開で一週でカタがつきました。『NARUTO』で同じような展開をやったら5〜6週はかかっているところでしょう。『ワンピース』なら一年かかります。

以前の電子上の戦いで、三体の「スフィンクス」を従えてネウロの攻撃を完全に退けるという優位に立ちながらも、退けただけで満足して追いつめることまではしなかったHAL。今回はその反省もふまえて「チリひとつ残さんッ!!」と相手の完全消滅を狙います。しかし、あれだけ自分を手こずらせてきたネウロが、装備満載の航空母艦相手に何の策もなく軍用ヘリ一機でカミカゼ特攻してきたことに何の疑問も抱かないのはやっぱり甘いと思います。さらには「君ですら解けないパスワード、何故彼女などに…」と調子こいた矢先にパスワードを破られるHAL。元々HALが余計なヒントさえ与えなければ弥子がパスワードを解くきっかけを得ることもなかったのでしょうが、この辺の自分の能力にうぬぼれて墓穴を掘るところは春川譲りなのでしょうか。

「スフィンクス」設置場所に侵入した時にさりげなくネウロの腕をつかんでいる弥子が非常に高い萌えポイントを記録していました。これでモザイクと虚ろに立ち並ぶ男達とコンピューターがなければ初々しいカップルのデート風景に見えないこともないです。



BLEACH

サブタイと話の中身が全然合ってないよ。

今回のあらすじ。
ついに手段を問わない幼女への暴行に及んだドルドーニ。一護を無視してまで執拗に幼女に危害を加えようとするドルドーニの外道ぶりにブチ切れた一護は、怒りの仮面を被ってドルドーニを成敗。しかし、助けた幼女にはマジ引きされたのだった。

一護「十刃の連中と対等にやり合う為には…それ以外の奴に卍解するようじゃダメだと、そう自分で決めて虚園に来たんだ…」
初耳だよ、おい。
ほんと織姫を助けるとかそういうことはどうでもいいんだな、こいつは。十刃を一人か二人でも倒せたら満足してそのまま帰っちゃうんじゃないでしょうか。
一護「くだらねえ」
まったくだ。



エムゼロ

連載当初からぎりぎりのエロはやれども決してパンチラだけはしなかった叶先生。しかし『To LOVE る』の脅威に押されたのか、ついに「禁じ手」であった「パンチラ」に手を染めてしまいました

叶先生「俺がつまんねえ意地張ったせいで…連載が危うくなっちまった…」
叶先生「ジャンプの看板漫画になる為には…パンチラ漫画を描いているようじゃダメだと、そう自分に決めてジャンプに来たんだ…」
叶先生「くだらねえ」
矢吹先生「優しいなニーニョ。聖女を思わせるよ。だが…まだ上があるだろう。知っているぞ、”コミック描き足し”と言う」
矢吹先生「手段は選ばんぞ、ニーニョ」



OVERT TIME(最終回)

タイトルと裏腹に連載はOVER TIMEすることなくコールドゲーム(打ち切り)を迎えました。
絵に関しては、構図や動きのある描写など、新人ということを考慮に入れなくても高いレベルに達していたと思います。
何が悪かったかといえば、出てくるキャラクターに好感を持たせるところを見事に外しまくっていたところでしょうか。主人公を含め、鷹見をのぞく登場人物全員が基本的に嫌な奴、やる気のない奴、ウザイ奴と好感度がマイナスからスタートしているのがまずかったと思います。そういう人間達が鷹見(が乗り移った太郎)の影響で変わっていって好感度を上げていくという予定だったのでしょうが、彼らがチームの仲間になってからもそうした好感度を上げる良い面の描写がたいしてされないままだったために、感じの悪い連中が集まっただけのことになってしまっていました。
そうした連中を半ば強引に勢いで率いていくのが鷹見の役割でしたが、太郎に取り憑いている幽霊という設定がここでは完全にマイナスに働いて、いまいち鷹見という人間のカリスマが発揮されないまま、読者としてはいまいちしゃくぜんとしない状態で鷹見(太郎)の元に人が集まっていったかたちになります。
第一話の感想の時に書きましたが、鷹見は殺さずにそのまま主人公にしておくべきだったと思います。



斬(最終回)

「斬あぁあぁん!!」

そしてこちらも…
掲載位置はずっと危険な位置にいたし、長生きはできないだろうと病弱の女の子を見る思いで見守っていたのでこうなることは覚悟はしていましたが、やはりもう少しだけ続けさせてくれていたらと惜しまれる漫画でした。
第一話からここに至るまでかなりの成長が見られた人なので、もう少しだけ打ち切りには待ったをかけてほしかったんですけどね…

村山と討条の決戦の場に間に合った月島さん。「ナイスだぜ刺々森」と初めて「ハダカ」ではなく名前で呼んでもらえて「ビクッ」という反応を見せる刺々森。名前で呼んでもらえたことの喜びが大きすぎて驚きに変わってしまったようです。「な、仲間…だからな…」と顔を赤らめておどおどと答える様はとんだツンデレ属性の発動です。ところで貫木と刺々森って、不良漫画ならコンビを組んで主役を張りそうなキャラクターです。この先があればいいコンビになっていたんじゃないでしょうか。「鬼の貫木」に「爆弾全裸」の通り名で呼ばれたことでしょう。

すでに傷だらけの村山を見て戦いを止めようとする月島さん。しかし「武士として…ここで決着をつけず相手に背を向けるワケにはいかない…」と戦いを継続する村山。過去に背を向けた途端に不意打ちで斬りかかってきた女性を見たことのある村山です、戦いに決着を付けずに中途半端に切り上げることがどれだけ危険なことかはわかっているのでしょう。
あとどさくさに紛れて月島さんを呼び捨てしている村山ですが、村山以外の人間が彼女を呼び捨てにしたら「”さん”をつけろよデコ助野郎ォ!!」と怒られているところです。貫木なんて背骨を折られました。

最後の一太刀は討条の玄人向けの扱いにくすぎる長台詞で締めくくられました。ページ数の都合だったのでしょうが、ここは詰め込みにするにはもったいないところでした。
そして両者ノックアウトとなった村山と討条。ていうかもう死にそうな勢いの村山。最期の台詞が「友達できて良かった」というのがまた別の意味でも泣けてきます。

そして一ヶ月後…元気な姿で学業復帰できた村山でお話は終わりました。本物の武士になれたかどうかはともかく、「友達が欲しい」という村山の当初の願いは叶ったわけで、その意味では『斬』という漫画は主人公が目的を達成し、きれいに完結したわけです。
とはいえ、村山の父親や花咲ら生徒会のこと、そして月島さんがなぜブラックリストに入っていたのか等、いろいろと残ってしまった伏線もあるわけで、この辺については次のZOZ団の更新で追求していきます。三つ目の伏線については説明されなくてもなんとなくわかる気がしますけど…